Category

Tiny house

タイニーハウスは、日本語に訳すと「(とても)ちいさな家」。その名の通り、最も小さいタイプだと、10㎡くらいのものから流通しています。10㎡は約4.5畳のワンルームくらい。独立した「家」と考えると、そのコンパクトさがわかるのではないでしょうか。

タイニーハウスの大きさに明確な基準があるわけではありません。頻繁に目にするのが「20㎡」「10坪」といったタイプです。20㎡は畳数でいうと約6.0畳、10坪は、1DKで7.5畳と6畳でバストイレ別、くらいの感覚。広さを考えると、住むのは一人か、多くても二人。独立した家としては、非常にコンパクトであることがわかると思います。

タイニーハウスの起源

タイニーハウスは、シンプルでミニマルな暮らしを求める価値観から生まれました。

タイニーハウスの概念が生まれたのはアメリカ。同国では長らく「大きな家」に住むことがもてはやされ、必ずしも必要性がなくても、広く大きい家に住む夢を多くの人が持ってきました。

しかし20世紀が終わりを迎える2000年前後、風向きが変わります。「大豪邸は、富と幸せのシンボルである」との価値観に、疑いの目を向ける人が現れたのです。大きな家は本当に必要なのか、大きな家は、人を幸せにするのか--。
その後、ハリケーンなどの自然災害、低所得者への無理な住宅ローンが原因となったサブプライムショックなど、家に関連する事件・事故が続発したこともあり、必要以上に広い家、モノを持たず、シンプルに生活するという価値観は着実に浸透していきました。
タイニーハウスは、単に狭く小さい家ではなく、ミニマルな暮らしを実現する積極的な意味を見出され、アメリカのみならず世界中に共感を広げていきました。

タイニーハウスの種類

とても小さなタイニーハウスですが、メインの家として利用されることもあります。そのほか、セカンドハウス、別荘、庭などのいわゆる「離れ」などとして活用されています。タイニーハウスと呼ばれる条件ははっきりとは決まっておらず、コンテナハウスのほか、プレハブ、ドーム型など様々な形態のものが含まれることがあります。
コンテナハウス以外の形態として、代表的なものがスモールハウスとプレハブ住宅です。

  • スモールハウス
    スモールハウスは、その名の通りの小さな家。形状や材質、工法などはっきり決まった概念ではありません。スモールハウスの名のもとに、各社、利便性、デザイン性、低価格、また高級感などの工夫を凝らしたブランドを展開しています。ハウスメーカー、建材メーカーに限らず「無印良品の小屋」など、異業種からの参入もあることでも注目されています。
  • プレハブ住宅
    歴史あるプレハブ住宅は、大部分を工場生産、加工、組み立ててから建てることで、工期や費用を抑えた建造物。タイニーハウスと呼ばれるような規模のプレハブ住宅は、最短1日で現地作業が終わるものも珍しくなく、簡単に移動可能なものもあります。プレハブといえば作業所や倉庫のようなものとイメージされますが、デザイン性、高級感のある外観のものもあり、一戸建てやアパートもこの工法で作られることがあります。

初期費用・維持コストが低額

タイニーハウスは、通常の一戸建て住宅と比較して低価格であることがほとんど。住宅ローンを組まなくても無理なく購入できるケースも多く、その場合は金利負担もありません。構造上破損しにくく、経年劣化により修繕が必要となった場合も作業が容易であることが多いため、維持コストも抑えられます。 建物の維持費だけではなく、コンパクトな空間は、シンプルな暮らしによる生活支出減も望めます。家具・電化製品などのモノの購入が少なくなり、また小さな部屋での生活は必然的に光熱費を抑制。ライフスタイル全体が、消費支出を減らしてくれます。

Container house

輸送コンテナを利用した住居です。基礎の上に建てられ、建築物として認められる仕様を持っています。機能性と自由度が高く、民家にも適しています。複数のコンテナを積み重ねて多階層にすることも可能です。

コンテナの規格としてISOがありますが、日本では同規格のコンテナを建築物として使うことはできません。日本では、建築物としてJIS規格のコンテナが使われます。JIS規格のコンテナは、重い鉄骨で作られており、強度が非常に高いという特徴があります。

建築物として認められるコンテナは?

建築物として利用されるコンテナは、海上輸送に使用する物とは異なる建築専用コンテナです。海上輸送コンテナは、ハウスとして利用しても材質などの理由で建築確認を得るのが困難。また、構造上、窓やドアなど開口部を設けることで強度が著しく落ちてしまいます。一方建築専用コンテナは、建築物に適した特徴を備え、法令への適合はもちろん、品質、デザイン性にも優れています。

長さ高さ面積
20フィートコンテナ6.058m2.348m2.591m14.2㎡4.29坪7.7畳
40フィートコンテナ12.192m2.348m2.591m29.7㎡8.9坪16.2畳

コンテナ 一つでデザインは自由自在

コンテナハウスは、「モジュール」といわれる一つ一つのコンテナを組み合わせることにより、床面積のほか、用途や好みに合わせた表現を行うことができます。また、コンテナ内部は結構な広さがあり、使い道によっては1つでも十分なスペースを確保できます。

建築専用コンテナは、窓・戸などの開口部を設けても耐久性が損なわれない構造のため、複数のコンテナを横に並べ、スペースを拡張していくことができます。 また、強度の高さから、上下に重ねることにより二階建て・三階建ての建築物にすることも可能。建築基準法の基準にも適合します。

Trailer house

自動車で移動し、場所を変えて建てることができる住宅。シャーシと呼ばれる土台の上に建て、そのままの状態で車で牽引するタイプのものが主流。

トレーラーハウスとキャンピングカーの違い

公道を移動することができる「住まい」であるトレーラーハウスとキャンピングカー。2つは似ていますが、大きく異なるのが、それそのものが「自走」できるか否かです。

キャンピングカーは車内に居住スペースのほかキッチン、トイレまでを設置した自動車。当然、エンジンを搭載し、道路を走ることができます。一方、トレーラーハウスとは、タイヤがついた土台(シャーシ)の上に居住できる建物を乗せ、車で牽引することができるものをいいます。

キャンピングカーは、普通車のように走り、簡単に場所を移動して、駐車した状態で住むことができます。その移動性の高さ、身軽さが魅力といえるでしょう。ただし給排水は車に搭載したタンクを使用しなければならず、タンクの水の補給や、下水処理が必須。上下水道を備えた普通の家と同様の生活とまでは言い難い部分もあります。トレーラーハウスは、移動先で定住し、住居や店舗として利用することを目的に作られていますので、水道などの設備で大きく一般の戸建てに劣る部分はありません。

一般住宅との共通点と相違点は?

トレーラーハウスは、建てた後は外観が普通の住宅とほとんど変わらず、車に住んでいるという感覚はほとんどありません。電気、ガス、水道など生活インフラも利用できます。
内装は、キッチンやトイレ、バスルームなど水回り設備を設置でき、クーラーや冷蔵庫などの家電製品も完備。通常の生活に支障はまったくないといえます。ただし、移動を前提としているので、都市ガスではなく、プロパンガスを利用します。

Mobile house

モバイルハウスはいわゆるキャンピングカーや軽キャンパー、トラックなど移動が可能な車のハウスになります。 自由に移動できるのでいろんな場所に出かけたい方、定住しない生活がしたい方におすすめです。

モバイルハウスで、自由に移動する居住スタイルを実現

モバイルハウスは、自動車の車体を利用した家。トレーラーハウスのように、建物の土台を牽引するのではなく、自走できることに大きな特徴があります。それ自体が自動車であるともいえるモバイルハウスは、コンパクトで低価格。一戸建て住宅の購入は土地と建物を入手する必要があるため高額で、住宅ローンを利用することが一般的ですが、モバイルハウスは数十万か~数百万程度で購入可能。全国を移動しながら住むライフスタイルを実現できます。

自作もできるモバイルハウス

モバイルハウスは、キャンピングカーのように住むために作られた車ではなく、既存の車両に居住スペースを作るのが一般的です。そのため、可能な限り自作してしまうのも選択肢の一つ。キャンピングカーの価格は安くても300万円程度ですが、自作であれば数十万円から製作可能です。内外装・設備も、自分の好みに合わせ選べます。修繕なども自分で行わなければならないことにリスクはありますが、DIYで理想の空間を作り上げる愉しみは唯一無二といえるでしょう。

Dome house

半円形の見た目がスタイリッシュなドームハウス。強度・耐久性に優れた形状で、断熱性も高いため、省エネ性能にも優れています。

新素材・機能性耐久樹脂を利用したドーム型ハウス

法令上の防火規準や耐久性能に適合し、また断熱効果が高い新素材を利用。軽量で簡単に組み立てることができ、柱のない広々とした空間を実現します。
豪雪や強風に強く、一般家屋と同じように建築申請を行うことにより、日本中に建造することが可能です。

Tree house

生きた樹木を建築上の基礎として活用する人用の家屋です。 必ずしも木の上にある必要はありません。生きている木を土台(基礎)にして作られた建造物のことをいいます。

ツリーハウスで利用される木の種類

ツリーハウスに最適といわれる樹木の一つがモンキーポッド。ハワイや南米に多く生息する木種です。その他、向いている樹木として、広葉樹ではメイプル、ホワイトオーク、ヒッコリーなど。針葉樹では、モミなどがあります。生きている木を利用するため、土壌や気候により適合性は様々に変わります。ツリーハウスで利用する樹木の選定には、樹木医による健康診断などの知見が必要となることがあります。

ツリーハウスは住居にできる?

建築基準法では、建築物は土地に定着していなければならず、樹木を基礎とするツリーハウスは「住居」と認められません。そのため、住民登録はできません。ただし、セカンドハウスなどとして利用することは問題ありません。建築物ではないため、ツリーハウス自体に固定資産税がかからないというメリットもあります。

Floating house

南国情緒あふれる「水上生活」を体験。フローティングハウスとは河川に浮かぶボートのハウスで、生活設備などを備え、住居として十分な性能を持ちます。

オランダ発の新たなトレンド、水に浮かぶ「ハウスボート」

「水の都」といわれる首都アムステルダムをはじめ、ハーグやユトレヒトなどオランダは無数の運河が生活に溶け込み、その美しさでも世界中の人々を魅了しています。そんな運河に浮かぶ舟に居住するのが「ハウスボート」。
居住スペースは本格的で、ダイニングやリビング、キッチンやバスなど水回り、暖炉など、通常の住まいと変わらない設備をもったものがあります。